よくあるご質問

市役所から固定資産税の督促が来ました。放っておいても大丈夫でしょうか。

相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法第939条)。

したがって、相続放棄をした場合は、被相続人(故人)の借金や税金の支払いをする必要はありません。
ただし、固定資産税については、注意が必要です。
そもそも固定資産税は、毎年1月1日現在(これを「賦課期日」といいます)の登記簿上又は課税台帳上の名義人に対して、その年度の分を課税します。
賦課期日現在の名義人が被相続人(その時点では生きていた)であれば、被相続人の相続債務となり、当該債務は相続人が承継します。相続人全員が相続放棄するなどして相続人が不存在となった場合は、相続財産法人が納税義務を負い、相続財産管理人が選任された場合は、当該管理人が相続財産の中から弁済等清算を行います。
しかし、賦課期日現在において、登記簿に相続人の名前が載っている場合は、被相続人の債務ではなく、相続人自身の債務とされるため、相続放棄をしたとしても、納税義務を免れることはできません。
登記簿の名義変更は、名義人が法務局に申請することによって行われることがほとんどですが、例外的に被相続人の債権者が、債権者代位により、相続人に代位して法定相続割合による相続登記を行うことがあります。賦課期日よりも前にそのような登記申請がなされた場合、前述のとおり固定資産税の納税義務を負うことがあります。
したがって、固定資産税の督促が被相続人の債務としてのものなのか、相続人自身としてのものなのかにより、対応が異なります。いずれにしても、市役所に連絡の上、相続放棄する(した)旨、手続等について確認し、不明な点等があれば弁護士に相談することをお勧めします。

(相続の放棄の効力)

第939条

相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。(相続財産法人の成立)

第951条

相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。(債権者代位権)

第423条

1.債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。
2.債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。

地方税法

(相続による納税義務の承継)

第九条

相続(包括遺贈を含む。以下本章において同じ。)があつた場合には、その相続人(包括受遺者を含む。以下本章において同じ。)又は民法(明治二十九年法律第八十九号)第九百五十一条の法人は、被相続人(包括遺贈者を含む。以下本章において同じ。)に課されるべき、又は被相続人が納付し、若しくは納入すべき地方団体の徴収金(以下本章において「被相続人の地方団体の徴収金」という。)を納付し、又は納入しなければならない。ただし、限定承認をした相続人は、相続によって得た財産を限度とする。
2.前項の場合において、相続人が二人以上あるときは、各相続人は、被相続人の地方団体の徴収金を民法第九百条から第九百二条までの規定によるその相続分によりあん分して計算した額を納付し、又は納入しなければならない。
3.前項の場合において、相続人のうちに相続によって得た財産の価額が同項の規定により納付し、又は納入すべき地方団体の徴収金の額をこえている者があるときは、その相続人は、そのこえる価額を限度として、他の相続人が同項の規定により納付し、又は納入すべき地方団体の徴収金を納付し、又は納入する責に任ずる。
4.前三項の規定によって承継する義務は、当該義務に係る申告又は報告の義務を含むものとする。

(相続人からの徴収の手続)

第九条の二

納税者又は特別徴収義務者(以下本章(第十三条を除く。)においては、第十一条第一項に規定する第二次納税義務者及び第十六条第一項第六号に規定する保証人を含むものとする。)につき相続があつた場合において、その相続人が二人以上あるときは、これらの相続人は、そのうちから被相続人の地方団体の徴収金の賦課徴収(滞納処分を除く。)及び還付に関する書類を受領する代表者を指定することができる。この場合において、その指定をした相続人は、その旨を地方団体の長に届け出なければならない。
2.地方団体の長は、前項前段の場合において、すべての相続人又はその相続分のうちに明らかでないものがあり、かつ、相当の期間内に同項後段の届出がないときは、相続人の一人を指定し、その者を同項に規定する代表者とすることができる。この場合において、その指定をした地方団体の長は、その旨を相続人に通知しなければならない。
3.前二項に定めるもののほか、第一項に規定する代表者の指定に関し必要な事項は、政令で定める。
4.被相続人の地方団体の徴収金につき、被相続人の死亡後その死亡を知らないでその者の名義でした賦課徴収又は還付に関する処分で書類の送達を要するものは、その相続人の一人にその書類が送達された場合に限り、当該被相続人の地方団体の徴収金につきすべての相続人に対してされたものとみなす。
(固定資産税の納税義務者等)

第三百四十三条

固定資産税は、固定資産の所有者(質権又は百年より永い存続期間の定めのある地上権の目的である土地については、その質権者又は地上権者とする。以下固定資産税について同様とする。)に課する。
2.前項の所有者とは、土地又は家屋については、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者(区分所有に係る家屋については、当該家屋に係る建物の区分所有等に関する法律第二条第二項の区分所有者とする。以下固定資産税について同様とする。)として登記又は登録されている者をいう。この場合において、所有者として登記又は登録されている個人が賦課期日前に死亡しているとき、若しくは所有者として登記又は登録されている法人が同日前に消滅しているとき、又は所有者として登記されている第三百四十八条第一項の者が同日前に所有者でなくなっているときは、同日において当該土地又は家屋を現に所有している者をいうものとする。
3.第一項の所有者とは、償却資産については、償却資産課税台帳に所有者として登録されている者をいう。
4.市町村は、固定資産の所有者の所在が震災、風水害、火災その他の事由によって不明である場合においては、その使用者を所有者とみなして、これを固定資産課税台帳に登録し、その者に固定資産税を課することができる。

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