相続放棄が認められないこともあるのでしょうか。
相続放棄が認められないケースは、以下のとおりです。
①相続放棄の申述が、形式的要件を満たしていない
①相続放棄の申述が、熟慮期間内(自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内)になされていないことが明らかである
②相続放棄の申述をした者につき、法定単純承認が存在することが明らかである
①の形式的要件とは、相続放棄の手続的要件、すなわち、相続放棄の申述が、相続人によるものであることや、手続書類が揃っているか等です。
②及び③については、相続放棄の申述が却下されると、相続人は相続放棄したことを主張できなくなり、甚大な損害を被るおそれがあることから、家庭裁判所は、却下すべきことが明らかな場合以外は、相続放棄の申述を受理すべきであると解されています(東京高裁平成22年8月10日)。